意見・異見

受信限度って、何?

 

 「受信限度」とは、メールBoXの容量をいい、容量を超えるとメールが受信できなくなる。これは一般的な意味であり、本サイトでは「与信限度」に対する用語として、受信の限度を意味することとする。筆者の知る限り誰も使用しておらず、最初の使用かもしれない。

 企業間信用とは、商品販売に伴う代金の支払いを、直ちに現金で行わず、ある一定期間の猶予を置いて行う事から生ずる債権、債務の関係をいう。債権の発生は債務の発生であり、正に表裏一体の関係にある。その量的拡大が日本経済、企業の発展・拡大を支えてきたと言って過言ではない。よって、債権と債務の重要性は同等であるが、両者の研究および施策の重要度には大きな差がある。

 債権の管理は「与信管理」といい、「与信限度」は与信管理の三大施策の一つとして位置づけられている。また、リスクマネジメントでは、信用リスクの「損害の制限策」として重要な施策になっている。しかし、債務の管理は、用語として一般化しているものはない。あえて言うなら「受信管理」であり、その施策として「受信限度」があって然るべきだと思う。

 「受信」には仕入債務(買掛金、支払手形)と借入金がある。両勘定はB/Sの貸方、負債に計上されるものであり、その金額は負債比率や有利子負債構成比率の計算に使用され、その増大は財務内容の悪化、不健全な財務内容と評価され、注意すべき、重要な勘定である。

  仕入債務の限度は「仕入限度」であり、自社が支払うことのできる限度、つまり支払能力の限界を言う。常に自社の持つ支払能力を知り、過大な仕入債務を抱えないことは、資金繰りの安定、財務内容の健全化につながる。

 借入金の限度は「借入限度」であり、資金調達力と返済能力の限界である。金融費用による収益性の低下や過大な返済による資金繰りの悪化を防止し、身の丈にあった資金繰りを行う上で、自社の資金力によって抱えることのできる借入金の限度を知る事が重要である。

  今後、与信限度と同様に受信限度が広まることを望むものである。

2018/3/22 高市幸男

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